お茶の博物館
茶問屋 日本茶通販【冠城園】の美味しいお茶 ホーム お問い合わせ 英語版
日本茶博物館
日本茶博物館 > お茶と科学 > お茶の滋味の科学

お茶の滋味の科学

>>お茶の香りの科学へ

* お茶の滋味

 緑茶は蒸された後すぐ製茶されますので、酵素が残りもとの茶葉の化学成分がほとんど変わらずに残ります。それゆえ、お茶の味はお茶の木の種類、摘む時期、摘むときのお茶の育ちぐあい、栽培方法によってきまります。

・お茶の滋味の化学成分

 お茶の成分の章で緑茶の渋味はカテキン(タンニン)、苦味はカフェイン、うまみがテアニンといいましたが、もう少し詳しくこの章では分析します。お茶の渋味はポリフェノールで4分の3のフレーバノル(味物質)です。主な緑茶のフレーバノルはエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレード、エピガロカテキンガレート、などでつまりカテキンです。お茶のうまみはアミノ酸、特にL−テアニン(アミノ酸の一種)です。これはお茶の葉のアミノ酸の60−70%を占めています。カフェインはフレーバノル(カテキン)と関係して苦味を作ります。

 これによると70−75%の苦味と渋みがフレーヴァル(カテキン)でうまみはアミノ酸(テアニン)であることがわかります。

・お茶の葉の種類の効果

 お茶のうまみはテアニンとアミノ酸(テアニン、つまりカテキン)によってきまりますので下の表の6種類のお茶の葉の含有量を見てください。

 やぶきたは最もポピュラーな煎茶の茶葉です。あさぎりは玉露と抹茶用の茶葉です。いずみとたまみどりは煎茶用の茶葉です。これらは日本産の茶葉です。べにほまれはインドからもたらされた茶葉で紅茶用です。やぶきた、あさぎり、いずみはアミノ酸の総量と緑茶のうまみであるテアニンが紅茶用の茶葉より豊富であることがわかります。

・お茶の摘む時期とお茶の木の育ち具合

 最も良い緑茶は最初の芽を摘んだもので後のに比べ、沢山のアミノ酸(テアニン)を含んでいます。一般にはアミノ酸(テアニン)は緑茶の味に良く貢献しフレーバノル(タンニン、カテキン)は緑茶のうまみに貢献しないといわれています。カテキン、お茶の摘む時期と化学成分(アミノ酸、テアニン、フレーバノル)の表は右の通りです。

・栽培方法

 玉露と抹茶は覆いをかぶされ日陰で育ちます。煎茶は日にてらされて育ちます。日に照らされて育つとアミノ酸(テアニン)とカフェインは保たれますが炭素の同化作用のため、フレーバノル(タンニン、カテキン)はやや減少します。茶の日に照らされた効果と化学成分の表は右の通りです。

 玉露と煎茶では化学成分が違います。煎茶と玉露の成分の違いですが、煎茶はタンニンが多く、玉露はニトロジェン(アミノ酸)が多く、それぞれ、煎茶が渋みがあり、玉露はうまみが強調された味であり、それぞれ、煎茶は日に照らされて、玉露は覆いにかぶされて育ったことがわかります。


はじめに日本茶の起源江戸時代明治時代戦前戦後日本茶の種類日本茶の生産地
製茶日本茶の審査日本茶の流通日本茶の消費色々な日本茶お茶と健康お茶と科学
新しいお茶お茶を美味しく飲む方法日本茶の貿易日本茶関係文献